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  • 吉田 翠

ある日ちょっと目にとまった光景

わたしの家の近所に遊歩道がある。


ちょっとした川の、ある意味河川敷とも言えそうな場所に作られている。

たくさんの木が植えられ、気持ちの良い場所だ。

この遊歩道は、ジョギングやウォーキングを楽しむ人が多い。

それでも単に

フラリと散歩をする人達も見かける。


先日、この遊歩道を歩く一組の老夫婦を見かけた。

長雨の合間に晴れた、暖かいあの日だった。

少し気温も上がり、気持ちの良い一日。

数人の人達がジョギングをする中、その老夫婦はただ、歩いていた。


何か話しているのか? 取り立てて会話が弾んでいるようにも見えないふたり。

横に並んだまま、隣を歩く伴侶をさほど気に留めずに散歩をする。

顔付き合わせた日常を、そのまま散歩に持ち込めば夫は夫、妻は妻。


そんなものかも知れない。

この遊歩道に沿って、芝生の道が作られている。そこにはベンチがあり、シートを広げれば春の花見にも丁度よい。

老夫婦は休憩でも考えたのか、この芝生に入って行った。

ちょっと足元が不安定かも知れない。


その時

その男性が奥さんの手をさっと握ったのですよ。

そしてそのままベンチに向かい、腰を下ろした。


こんな風景がいつかわたしの日常にやって来たら、きっと穏やかなのだろうなと、頭をよぎった。




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